食物アレルギーへの理解
"あんしんがとう"の歩み
- はじまりは学校給食
- お昼は楽しい給食の時間です。机の上には待ちに待ったお昼ご飯が並んでいます。
さぁ、みんな一緒に「いただきま~す」。
ところが、一部の子供たちにとって、楽しい給食の時間が心傷つく時間になっています。そうです、食物アレルギーです。食物アレルギーの子供たちはみんなと同じ食事を摂ることができません。私たちフルーツライフは学校給食に携わるメーカーとして、全ての子供たちが同じ給食を一緒に食べることができるよう開発を続けてきました。
- アレルギーとは?
- 食物アレルギーは、特定の食品を食べたときや触ったとき、成分を吸い込んだときなどに、その食品に含まれるアレルゲン(主にタンパク質)に免疫システムが過敏に反応して起こります。
免疫システムの一部は、細菌やウイルスなどの病原体が体に入ってきたときに、抗体をつくってその病原体を攻撃し、体を守ってくれます。私たちにとって、とても大切な役割を担ってくれています。食物アレルギーでは主に、食品のタンパク質がIgE抗体にくっつき、それによって肥満細胞(マスト細胞)が活性化し、ヒスタミンなど(アレルギー症状を引き起こす物質)が放出されます。
本来なら栄養として消化吸収するはずの無害な食品のタンパク質に対して、IgE抗体を作り、過敏に反応して症状が出てしまう。これが食物アレルギーのしくみです。
[参考]http://allelab.jp/know/latest/2060
- 有症率
- 食物アレルギー有症率調査によると、乳児が約5~10%、3歳児が約5%、保育所児が5.1%、学童以降が1.3~4.5%とされています。全年齢を通して、我が国では推定1~2%程度の有症率であると考えられています。
*有症率=ある一時点において疾病を有している人の割合
- 学校給食における
アレルギー事故
- 去る2012年12月、給食を食べて激しいアレルギー反応(アナフィラキシーショック)に見舞われ、女児が亡くなる事故が起きました。この不幸な事故は、2008年文部科学省が学校給食法を54年ぶりに改正した際、食物アレルギーの子どもに対しても可能なかぎり対応に努めることとし、学校ごとに取り組むよう求められた中で起きた事故でした。
- どうして
事故が起きたのか
- 国からアレルギー対応した給食を求められる一方で、安全を確保する適切な方法を見出すことは困難なことです。なぜなら、国の示すガイドラインには大まかな指針しかなく、具体的な注意点や方法は記されていません。また学校によって児童の状況が異なり、設備・人・財源などさざまな場面があります。
例えば、アレルギー物質を除いた除去食を作るためには、整備された専用の調理機器や容器が必要になり、専任の調理担当者の配置など、多額の費用がかかることが想像できます。さらに、どれだけ注意したとしても人為的ミスを完全に防ぐことは難しい上に、引き起こされた事故は取り返しのつかない重大なものになりかねません。
- 求められる
アレルギー対応食
- こうしたなか給食用物資(食材)を提供する食品メーカーにはアレルギー対応食品の製造が求められるようになりました。しかし、それには大きな課題があります。まず一つはコンタミネーションの問題です。特にケーキを製造する食品メーカーでは、「小麦」が空調を通して空気中に飛散し、混入の可能性があるからです。
次に、企業として運営していくことの難しさです。何故なら、食物アレルギーの子供たちが増加したとはいえ、児童全体の中では1~2%にすぎません。しかし、一度アレルギー事故が発生すると最悪の場合死に至る可能性があり、そのためアレルギー対応食品は絶対に安全なものでなければなりません。つまり、安全なアレルギー対応食品を製造するためには、既存の設備で製造することができないことになり、新たな設備を投下するには企業として大きなリスクを負うことになります。
- 専門工場として
美味しいものを
- フルーツライフ株式会社は、乳・卵・小麦を使用しない・持ち込まない専門工場として《あんしんがとう》を立ち上げました。また、工場内では『特定原材料7品目』を全て取り扱っておらず、工場内におけるコンタミネーションの心配はありません。
フルーツライフは、安全で美味しく、みんなで一緒に食べることができる商品を開発してきました。それが何よりも不幸なアレルギー事故を防ぐことになり、みんなで一緒に食べる幸せを届けることと信じているからです。
- 活動
- フルーツライフ株式会社は、大学の研究者、地域の人々と連携しています。
名古屋学芸大学管理栄養学部管理栄養学科との産学共同事業、地域のアレルギーの会との交流、さらに食物アレルギーに関する研究と勉強会を継続して行っています。
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